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M&AにおけるTOB(株式公開買付)とは?

TOB(株式公開買付)(ふりがな: てぃーおーびー、英語: Tender Offer Bid、仏語: Offre publique d'achat)とは、特定の企業の株式を市場外で一定の価格と期間を提示して買い集める手法です。通常、M&A(企業の合併・買収)の一環として用いられ、買収側が対象企業の経営権を取得するために株式を公開買付することを意味します。これにより、市場価格よりも高い価格で株式を取得し、経営権の確保を目指します。

TOBの役割と重要性

TOBは、M&Aにおいて非常に重要な手段であり、特に対象企業の経営権を迅速かつ効果的に取得したい場合に使われます。通常、株式市場で大量の株式を購入することは株価を急騰させるリスクがあるため、TOBを通じて市場外での取引を行うことで、買収側は効率的に株式を取得できます。

TOBのプロセスでは、買収側があらかじめ株主に対して買付価格と期間を提示し、一定量の株式を買い集めます。買付価格は通常、市場価格よりも高く設定され、株主にとっては利益を得る機会となるため、株式を売却するインセンティブが高まります。また、TOBは買収の友好的な手段と見なされる場合も多く、株主や経営陣と協力して取引を進めることが一般的です。

TOBの歴史と由来

TOBは、アメリカで20世紀中頃に普及し、株式公開買付という概念が一般的になりました。その後、世界中でM&Aが活発になるにつれて、この手法も広く使われるようになりました。特に、企業が市場で株式を大量に取得することによる株価の急変動を防ぐため、TOBは効率的で安定した買収手段として確立されました。

日本でも、1980年代以降、企業の買収活動が増加する中でTOBが導入され、企業買収の重要な手法として使われるようになりました。特に、敵対的買収を防ぐための友好的な手段としても使用され、近年では大手企業間でのM&Aにおいて頻繁に見られる手法です。

現在のTOBの使われ方

現在、TOBはM&Aの実行手段として多様な場面で活用されています。特に、以下のようなケースで使われることが多いです。

1. 経営権の取得

買収側が対象企業の経営権を迅速に取得するため、TOBが利用されます。対象企業の株式の過半数以上を取得することで、取締役会の構成や経営方針に影響を与えることができ、買収の目的を達成します。TOBを通じて経営権を確保することで、買収後の統合がスムーズに進むことが期待されます。

2. 敵対的買収と友好的買収

TOBは友好的な買収だけでなく、敵対的買収にも使用されます。敵対的買収では、対象企業の同意を得ずに株主に直接株式の買付を提案し、株式を集めて経営権を奪取しようとします。これに対して、友好的買収では経営陣と協力し、株主に対して魅力的な条件を提示して株式を買い集め、企業の合併・統合をスムーズに進めます。

3. 救済的な買収手段

TOBは、対象企業が財務的に困難な状況にある場合や、株主にとって株価が低迷している場合にも用いられることがあります。こうした状況下で、買収側は株主に対して市場価格よりも高い価格での株式買付を提案し、企業の再建や統合を図ります。この場合、TOBは株主にとって魅力的な出口戦略となり得ます。

TOBの成功事例とリスク

TOBは、企業買収や合併を迅速に進めるための強力な手段ですが、リスクも伴います。買付価格が市場価格よりも大幅に高い場合、買収後の企業統合がスムーズに進まなかったり、投資回収に時間がかかるリスクがあります。また、株主が買付に応じない場合、予定していた株式の取得ができず、買収が不成立となる可能性もあります。

一方で、TOBによる成功事例も多く存在します。大手企業によるM&Aでは、TOBを通じて友好的に株式を取得し、スムーズに統合を進めることで市場での競争力を強化したケースがあります。例えば、国内外での事業展開を加速するためのTOBや、競合他社との戦略的な提携を目的とした買収がその代表例です。

TOBの未来

TOBは、今後もM&Aにおいて重要な役割を果たす手法であり続けるでしょう。グローバル化の進展や産業の再編が進む中、企業は効率的に経営権を取得するためにTOBを活用するケースが増えると予想されます。特に、ITやテクノロジー関連の企業買収が活発化する中で、TOBは迅速かつ効果的な手段として広く利用されるでしょう。

また、企業ガバナンスの強化や株主価値の向上が求められる中で、TOBを通じて株主の利益を保護しつつ、企業の成長を促進する取り組みがますます重要になります。透明性のある買収プロセスや、公正な取引条件を提示することで、TOBが企業の成長戦略の一環として、今後も進化し続けることが期待されます。



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